工事費用はかせ ⇒ 新築住宅・一戸建て建築 ⇒ 仮設工事費用の内訳・単価表
住宅の建築を行なう場合、まず「どの建築会社で住宅を建築するのか?」を決めるために見積もりを取ることになる。
基本的には複数の会社やメーカー、工務店に相見積もりを取ることになるが、この見積書に記載されている項目は多くどうしてそのような金額になるのかは一般のユーザーには解りにくい部分が多いのではないだろうか?
一般的に見積書に記載されている工事項目には以下のような項目がある。
【見積書の代表的な工事項目の一覧】
★仮設工事
★基礎工事
★木工事
★屋根工事
★外壁工事
★土工事
★防水工事
★金属製建具工事
★木製建具工事
★タイル工事
★ガラス工事
★内装工事
★電気設備工事
★給排水工事
★ガス工事
ご覧のように実に多くの項目がずらりと並んでいる。
もし現在手元にハウスメーカーや工務店の見積書がある場合は上記に記載した項目の多くが記載されているのではないだろうか?
尚、上記見積書の主な項目は木造住宅の見積書の基準であり、もし建築する住宅が鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造であれば「コンクリート工事」や「仮枠工事」・「鉄筋配筋工事」・「鉄骨工事」などの工事も加わってくることになる。
※住宅を建築する場合は建築物の構造によっても工事項目が若干変更してくる。特に鉄骨造(SR造)や鉄骨鉄筋造(SRC造)になると一般の木造建築工事にかかる費用にプラスして別途工事項目が記載されているのが通常である。
仮設工事はこれらの多くの工事種類の項目の中でも少し特殊な項目で、主に工事を円滑に行なうことを目的として行われる住宅建築の準備段階における工事である。
大工や職人が作業を行なうための足場の設置や工事を行なう際に必要となる電気設備類の電源の設置なども全て住宅を建築する際には欠かせない準備項目でもありこれらの費用は全て仮設工事に分類されている。
尚、仮設という言葉からもわかるように見積書に記載されている仮設工事とは住宅そのものの工事ではない事から住宅の建築工事が終了すると撤去され跡には残らない工事となる。
※仮設工事は実際に現場で工事を行なう大工や職人達が円滑に行なうために設置準備される建築工事。工事終了後は基本的に跡に残らない工事が仮設工事に該当する。尚、見積書に記載されている仮設工事費用は輸送費や撤去費、仮設工事を行なう為に必要となる人件費も含まれている。
大規模のパワービルダー系が行なう建売住宅の場合等を除き、一般的に建築される住宅は土地の大きさや形状、そして建築規制や階高、そして間取りや構成、トイレの数に至るまで全く同じような物件は存在しないもの。
仮設工事の項目ももちろん対象となる建築物、そして建築現場などによっても異なってくるもの。
しかし、ほぼどの現場においても発生する基本的な仮設工事の項目も幾つかあり、中でも足場の設置にかかる費用は仮設工事費用の大部分を占める大きな金額となる点を覚えておくべきである。
※仮設工事費用の中でも最もコストのかかる項目のひとつが足場の設置にかかる費用である。足場にはおおまかに建築物の外部に設置する足場と建築物の内部に設置する足場があり、良心的な工務店などの場合はそれぞれの見積内容と工事単価、数量を記載したものを作成してくれているケースも多い。
ハウスメーカーや工務店が出す、契約前の段階の見積書に記載されている仮設工事費用はおおまかな概要となっており詳細の項目を記載しているケースは稀である。
これは購入者側が必ずと言っていいほど相見積もりを取っている事が想定されるため、大まかな金額を提示し、交渉があった場合に項目ごとに調整できる幅を設けているためである。
その為、物件を探し始めたばかりの頃は、見積もりを受け取っても足場の設置にかかる費用等の詳細はなかなか知ることが出来ない訳である。
もし見積書に詳細が記載されている場合は足場の設置費用が全体の仮設工事費用に対してどの程度のウエイトを占めているか確認しておくと良いだろう。
尚、足場の設置に関しては建築基準法によって設置基準が定められている為、階層が高くなるケースや狭小住宅の建築を行なう際には工事単価が若干高くなってくる。
また足場の組立を自社内で完結している建築会社や工務店などの場合と比較すると足場の設置を外注で行なっている建築会社の方が人件費なども含め高額になるケースも多い。
仮設工事費用があまりにも高額に感じる場合は、まずは仮設工事金額の中でも多くのウエイトを占める足場の設置費用に着目して逸脱した金額になっていないかどうかチェックしくと良い。
【足場の設置費用・撤去費用が高額になるケース】
★3階建て住宅や狭小住宅、旗竿地などで建築材料の運搬コストなどがかさむケース
★足場工事を外注している場合、ハウスメーカーの場合は外注先の更に下請けなどになるケースも多く金額が高くなることも
住宅建築工事を行なう際の仮設工事費用に含まれる内訳は、足場の設置にかかる費用の他にどのような項目が存在するのだろうか?
ここでは具体的に仮設工事費用の内訳についても確認しておこう。
まず建築を円滑に行なうために現場で作業を行なう大工や職人に必要な設備類としては電気設備類の設置が求められる。
現在の住宅建築の大半は材木のサイズなどの調整は全て工場で行われており、基本的には現場では設計図通り組み立てるだけの建築様式が多くなっている。
しかし、建具の微調整や建築物内部の照明設備などではやはり電気設備が必要であるため、工事現場用の電気設備の設置にかかる費用も見積書の金額に含まれている。
また基礎のコンクリートや作業をしている職人が使用する「仮設トイレ」などの水道設備も新たに設置することが必要。
更に、これらの仮設設備類を搬入する為の費用や片付けにかかる費用も人件費として仮設工事代に含まれている。
これらの仮設工事費用を全て合算すると「建築費用全体の3%~4%程度」は仮設工事費用に該当する為、仮に30坪の建築面積で坪単価50万円の物件の場合、建物部分の建築費用が1500万円となり仮設工事代が45万円~60万円程度かかる事になる。
尚、仮設工事費用の割合が4%を超えてくるような場合は以下の可能性を検討してみる必要がある。
【仮設工事費用の比率が高い場合に考えられる内容】
①木工事や内装工事などの主力工事費用が割安な工務店の可能性
②仮設工事だけが割高である可能性
③基礎工事等も含まれている
④特殊な建築条件(3階建て以上で狭小住宅など)
①の主力工事が割安という可能性は購入者にとってはありがたい事。木材屋とのパイプが強い、自社製品を使用、全ての工事を自社で賄っており人件費が安価など地元の工務店などに見られる傾向がある。
②の仮設工事費用が割高というのは、他の工事費用は自社で行なっているが足場設置工事などは全て外注しているケースや、中間マージンが多く発生するルートを使用せざるおえないようなケース。これはユーザー側にとって利点はほぼない。
③は基礎工事の項目内に仮設工事が含まれているようなケース。この場合は10%以上と逸脱して比率が高くなるためすぐに解るはずである。
最後に④の特殊な建築条件とは建築条件や日影規制問題、敷地の形状などによって左右される項目であるため厳しい建築条件の土地に建築する場合は概ね建築にかかる坪単価が高くなると想定しておくと良いだろう。